中央アジア アムダリア川流域 ベシール トルクメンエルサリ支族 19世紀
トルクメンの中でも他のテケやサルーク、ヨムートなどの部族とは一味違う雰囲気とデザインを持つのが「ベシール」と呼ばれる絨毯です。研究者の間でも分類が分かれるようですが、ワシントンDCのテキスタイル美術館で行われたトルクメン絨毯だけの展示会の図録ではこの地域の絨毯を「BUKHARA=ブハラ」としています。その後はエルサリベシールと呼ばれることが多いのですが、最近の研究ではアムダリア川流域で半定住生活を送る「ラバーブ(川沿いに住む)トルクメン」と
する研究者もいます。遊牧系騎馬民族の代表でもあるテケ支族の絨毯に見られる圧党的な完成度と切れ味の良い、シャープな印象とは対照的な、やわらかく優しい雰囲気を持つのがベシールラグです。
多様なデザインと洗練されたテイストも持つことから、世界的な評価も高くオリジナルな状態の良いベシールラグは入手が難しくなっています。このラグは先に紹介したワシントンDCで行われた「The Turkmen」の展示会の総合プロデューサーであり、トルクメン絨毯研究家のJon Thompson氏のコレクションです。トライバルラグブームが最高潮期にあった1993年にニューヨークのSotheby'sでJon Thompson氏のトルクメンコレクションのオークションが開催されましたが、その時に落札したものです。他のトルクメンラグやテントベルトなどは評価価格の数倍に競りあがりとてもついていきませんでしたが#33のこのラグだけは不思議とそれほど競りあがらず入手することが出来ました。
そのNY.Sotheby's1993 Jon Thompson collectionのカタログには、19世紀にアムダリア川周辺のエルサリ系部族によずて織られたベシールラグと掲載されています。一部に穴があり修復はしていませんが、全体としての状態はまあまあです。
ただしかなり古くパイルも減って来ていることから敷物としての使用は少し難しいかもしれません。100年を超えた絨毯の持つ風合いとおそらく茜と藍で染められたと思われる深みのある、赤とブルーが特徴です。
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